皆様こんにちは。町田市森野の鍼灸整骨院、わたなべ森の整骨院　院長の渡辺広人です。

今回から４回に分けてツボのお話をしたいと思います。

鍼灸では四総穴という考え方があります。明の王族だった朱権という人が提唱したと伝えられています。

【四総穴歌】
肚腹（腹部の疾患）は三里に留め、腰背（腰や背中）は委中に求む。
頭項（後頭部・うなじ）は列缺に尋ね、面口（顔面部）は合谷に収む。

このように、足三里・委中・列缺・合谷という４つのツボで全身を治療しちゃいましょうという考えです。今回は足三里について考えてみたいと思います。

足三里：陽明胃経　合土穴　下合穴
足の三里はとてもメジャーなツボです。胃の病変だけでなく、全身調整穴としても有名なので、
中国の古い諺に「三里は乾かすな（常に刺激しろ）」と言われるくらいです。
松尾芭蕉も奥の細道で「三里に灸すゆるより松島の月まず心にかかりて・・・」と言っていますし、
吉田兼好も徒然草において「４０過ぎたら気が上に昇っちゃうから必ず三里にお灸しろ」と言っています。

のぼせや目まいなど気が上に昇っている際に、足の方に気を下すために迎え鍼といって三里に鍼を打ちます。
合土穴でもあるので、胃の脈気が入るところであり、気の逆流（げっぷ・腹部膨満感）に効果があります。
下合穴でもあるので、六腑の病の反応が現れるところであり、治療点でもあります。

このように足三里は体調管理にとても重要なツボですので、日常的にお灸などしてあげると良いですね。

動画では足三里について詳しく解説しています。ご参考にしてください。