鍼灸治療

鍼灸治療が免疫機能を高めることは、以前より数多くの症例で確認されています。免疫機能は主に白血球がその役割を担っていますが、鍼灸治療により白血球全体の２０％～３０％位の割合で存在するＮＫ（ナチュラルキラー）細胞が増えるといわれています。ＮＫ細胞とはガン細胞やウィルス感染細胞を単独で直接攻撃する細胞です。ＮＫ細胞が増えることで生体の抵抗力が強まり、病気にかかりにくい体になります。

最近、ＮＩＨ（米国国立衛生研究所）は、鍼灸治療の各種の疾病に対する効果とその科学的根拠、西洋医学の代替治療として有効であることを発表しました。また、ＷＨＯ（世界保健機関）は鍼灸治療の有効性を多くの疾患について認めています。

鍼灸の効果の研究は、医療機関や大学などの教育機関において進められています。鍼灸刺激が自律神経系、内分泌系、免疫系等に作用して、筋緊張の緩和、血液及びリンパ液循環の改善等の作用があり、生体の自然治癒力を高めるのではないかと考えられています。

また、古くから認められている鎮痛効果については、鍼刺激が末梢神経の痛覚を遮断する、鍼刺激が脳内の鎮痛物質の分泌を促し痛みを軽減する、鍼のツボ刺激による鎮痛効果、鍼刺激による血液循環の改善などによると考えられています。

・鍼灸の適応症

ＮＩＨ（米国国立衛生研究所）は、鍼灸治療の各種の疾病に対する効果とその科学的根拠、西洋医学の代替治療として有効であることを発表しました。
ＮＩＨが発表した疾病は以下のとおりです。

【神経系疾患】
　神経痛　神経麻痺　痙攣　脳卒中後遺症　自律神経失調症　
　頭痛　めまい　不眠　神経症　ノイローゼ　ヒステリー

【運動器系疾患】
　関節炎　リウマチ　頸肩腕症候群　頸椎捻挫後遺症　五十肩　腱鞘炎　腰痛　
　外傷の後遺症（骨折　打撲　むちうち　捻挫）

【循環器系疾患】
　心臓神経症　動脈硬化症　高血圧低血圧症　動悸　息切れ

【呼吸器系疾患】
　気管支炎　喘息　風邪および予防

【消化器系疾患】
　胃腸病（胃炎　消化不良　胃下垂　胃酸過多　下痢　便秘）　胆のう炎　肝機能障害　肝炎
　胃十二指腸潰瘍　痔疾

【代謝内分泌系疾患】
　バセドウ氏病　糖尿病　痛風　脚気　貧血

【生殖・泌尿器系疾患】
　膀胱炎　尿道炎　性機能障害　尿閉　腎炎　前立腺肥大　陰萎

【婦人科系疾患】
　更年期障害　乳腺炎　白帯下　生理痛　月経不順　冷え性　血の道・不妊

【耳鼻咽喉科系疾患】
　中耳炎　耳鳴り　難聴　メニエル病　鼻出血　鼻炎　蓄膿　咽喉頭炎　扁桃炎

【眼科系疾患】
　眼精疲労　仮性近視　結膜炎　疲れ目　かすみ目　ものもらい

【小児科系疾患】
　小児神経症（夜泣き　かんの虫　夜驚　消化不良　偏食　食欲不振　不眠）　小児喘息　
　アレルギー性湿疹　耳下腺炎　夜尿症　虚弱体質の改善