皆様こんにちは。町田市森野の鍼灸整骨院、わたなべ森の整骨院　院長の渡辺広人です。前回からシリーズでお伝えしている四総穴の第２弾、今回は委中（いちゅう）について考えてみたいと思います。

まずはおさらい。
四総穴とは、『肚腹は三里に留め、腰背は委中に求む。頭項は列缺に尋ね、面口は合谷に収む。』
という四総穴歌の４つのツボで全身を治療しちゃいましょうという考え方でしたね。

【委中：足の太陽膀胱経　合土穴　下合穴】
「委」は曲がる所の意味があり、膝を曲げた時の膝裏の真ん中に位置するので委中と名付けられたそうです。
なぜこのツボが腰背痛に効果があるとされているのか？その理由を明確に記した文献は見当たらないのです。
今回は私の個人的見解としてその理由を考えてみたいと思います。

①委中の奥には、腰から始まる脛骨神経が通っている。
②足の太陽膀胱経の経絡にはツボが６３穴ありますが、その大半が腰・背中・坐骨神経領域に分布している。
③膝裏の筋肉が関係している。
　・足底筋：筋肉の長さの情報を感知し、脳・脊髄に情報を送り、全身の筋緊張を調整していると考えられて
　　　　　　いる。運動にはほとんど関与せず、無い人もいる。
　・膝窩筋：膝裏外上方から膝裏内下方へ斜めに膝裏を横切る筋肉。
　　　　　　骨盤等の歪みにより、片方のこの筋肉に負担がかかり緊張することで、膝に捻じれが生じ、
　　　　　　その捻じれは股関節、腰へと伝播していく。
この３点かなと考察します。

また、腰背のほかにも、
膀胱経の下合穴であるので、腑（膀胱）の病の病変に効果が期待できます。
膀胱経の合土穴でもあり、逆気泄を主治とするので、尿漏れや頻尿にも効果が期待できそうです。
腰痛ばかりが有名で、この腑に対する内科的疾患への効果はあまり語れないツボなのです。

腰痛や膀胱関連の不調の際にこのツボを刺激してみてください♪

動画では委中について詳しく解説しています。ご参考にしてください。